色とりどりの綺麗で大きな花火が次々とドンと大きな音をたてて打ち上がり、そして終盤に向かう頃。



蓮くんが突然重い口を開いた「俺、実は……もっと家族がいたんだ」と。



「えっ……?!」と私とお姉ちゃんは口を揃えて驚いた。



確か、蓮くんの家族は3人家族。



色白で細身の優しいお母さんと少し強面だけど笑顔が素敵なお父さんの3人家族だけなはずなんだけど。



“もっと”って、どういうこと?



「実は、俺には可愛い妹がいたんだよ……」



蓮くんが妹の話を続けた。



「7月3日生まれの俺の妹、七実(ななみ)。七実は二卵性双生児の1人。で、もう一人の産まれてくるはずだった子供の方は妊娠初期に母親のお腹の中で亡くなり消えてしまったんだ……。こんな事があったからかもしれないが、余計に七実と出会えた事は本当に奇跡なんだと感じた。


だけどそれから、俺が5歳の時に……、七実は亡くなった。七実は、可憐なまだ4歳だった」



そうなんだ、もしも七実ちゃんが生きていたら今頃私よりも年が一つ上だ。



蓮くんがスマホケースの内側から1枚の写真を取り出し、その写真を見せてもらった。