いつもならウサギみたいにぴょんぴょんと跳ね上がって喜ぶんだけれど、今はそんなエネルギーも元気すらない。



「学校で、優衣から聞いた。高熱で朝から食欲がなくて、何も食べてないって……。昼ご飯は?」



「………食べてない」



「そっかぁ。……ん、っじゃあ、とりあえず。水、梅干し粥、バニラアイスクリーム、全部これコンビニでさっき買ってきた物だけれど、今、どれがいい?

俺、お粥ぐらいさっさと作れたら格好が良いんだけれどさ……、料理とか苦手だから」



蓮くんがふっと顔を上げて私の顔をじっと見た。



「……水が、飲みたい──」



「よしっ!」とコンビニの袋からペットボトルの水を取り出して何やら準備をしている様子。



「ほら、水。ストローをさした方が飲みやすいだろう?」



蓮くん、いつも優しい、だけど今日は私に気を使ってくれて、特にやけに優しい。



「蓮くん、ありがとう──」