そうだ、きっとお姉ちゃんがもう学校から帰って来たんだとその時は思った。



しかし、お姉ちゃんじゃなかった。



「お前のことが心配で、来たんだ──」



それは、学校帰りでまだ制服姿のままの蓮くんだった。



お姉ちゃんは美術部の部活に入っていて、全国美術展のコンクールの締め切りが迫ってきている為に、今1番忙しい時期だから今日は帰りが少し遅くなるかもしれないらしいと蓮くんが話をしてくれた。



私のお姉ちゃんは美術部の部長をしている、だから尚さら今は忙しい。



また、こんな日に限って、私のお母さんはキャビンアテンダントの仕事をしているから、今海外の空をフライト中で帰って来るのが明日になってしまう。



で、続いて私のお父さんも会社で大事な会議が長引いているらしく今日は家に帰るのがもの凄く遅くなるらしい。



今の今までずっと家で一人でいるのが不安で心細かった。



こんな私が弱っている時に蓮くんが来てくれて、本当に嬉しい、心底両手を合わせて感謝。



そして、私の心の中の喜びを表すバロメーターが急上昇をし始める。