『ニセカレニセカノ』

1、告白




「僕と…お付き合いしてください!」

「………はい?」
思わず、間抜けな声を出してしまった。

なんか唐突過ぎないか。
昼休み、机の上に
「放課後、図書室に来てください 湊渚未」
と書かれた紙の通りに、私は図書室へ。
そこには、やっぱり湊渚未がいて__。

『やっぱり』と言うのは、湊渚未は成績優秀で、この辺りじゃ1番大きい病院の院長の息子。

しかも顔も良いと女子に評判で。

‪私は『隣の席の人』としか認識してなかったけど、改めて見ると、本当に綺麗な顔してる。

「……え?ダメ?」

信じられない。とでも言うような顔。
行けるとでも思ってたのか。このナルシスト野郎め。
なんでも自分の思い通りになんてならない。幼稚園児でも分かる事だ。

「……いや、ダメって言うか…」
「え、じゃあ良いの?」
「………」
ああ。こりゃダメだ。

頭良いってのは本当なのか。
まぁ、確かにテストの成績は良かったような気がしたが。