自称進学校に通う私の夏休みは例年通り希望調査という名称でありながらも

その実態は半ば強制的に取らされるセミナーに参加して1日を過ごし

家に帰れば各教科きっちり出された課題をこなす日々を送る。


夏休みが終わる前日には終わらない課題に、

その課題を提出できないことによって

被る弊害を想像して、

明日から始まる学校生活にうんざりしながら終わる。


そう思っていた。


そんな夏休みを今年も過ごさないといけないのだと思っていた。



しかし、もうすぐ例年通りの
夏休みが始まると諦めながらも

夏休みというものが始まるという

謎の高揚感を感じていた

期末テスト明けの月曜日に

“とある事件”によって

私は「夏休みに登校することを控えるように」

と担任の松山先生に告げられた。


仲の良い友達もいるけれど、

夏休み中も毎日絶対に会いたい友達も

彼氏もいない。

だから然程落ち込むことも

先生に突っかかることもせずにただ大人しく

「はい」と言って受け入れた。





強がりかもしれないけれど

正直夏休みにこの学校に来ることが

できなくても

夏休みの課題をすることに変わりはないし

セミナーを受講しても

1学期の復習や受験に向けての

問題を解くだけに過ぎないだろうと

高をくくっていた。