今度は麻琴ちゃんが変な声を出す。
そんなにいけない発言だったのか首を傾げるが、麻琴ちゃんは逃げるように背を向けた。

「まあ、夢って起きる寸前に見ながらしいし。隈ができた時は、海藻、魚、ブロッコリーがいいって聞いたから、朝ご飯は和食だよ」

「……いいわあ」

 体調にまで気を使ってくれて、しかも料理姿は思わず襲ってしまいそうなほど可愛い。

これは完璧じゃないかしら。
良いお嫁さんになるわ。

『なので、貴方から本格的に麻琴さんを奪うつもりでいます。……無謀かもしれませんが』

きっと丞爾くんも、あの麻琴ちゃんの後ろ姿をみたら朝から子犬のように盛ってしまうにちがいない。

「ああ。やっぱり3Pしたいわあ……」
「ちょっと! 朝からムラムラうるさい。子作りしないならトイレでも行ってきて」

 麻琴ちゃんに怒られて、熱はとっくに引いていた。

 問題は、私は本当は――麻琴ちゃんと丞爾くんが結ばれたらいいと思っていた。
 それが今は、複雑ということ。
 
 粘膜接触と言われて、二人がエッチしたのを想像して、そしてなぜか勝手に一人で堕ちてしまった。

「大根柔らかくなったら朝ご飯だぞ、トイレは大丈夫か?」


二人が本当にエッチした時、きっと私は、二人への執着が切れてしまうんだろうなって。