カレーは二杯も食べた。翌日のお弁当に、二人で並んで保存した。

そして一緒にお皿を洗って、二人で洗濯物をたたんで、お風呂に入ってくる業平を蹴飛ばして一人で入って、そして私は業平の部屋をノックした。

「はーい。なぁに」
「一緒に、ねてもいい?」

0時。
魔法が解ける時間。
業平は、魔法が解けて男の人になっていた。
付け睫毛してない業平の目は、切れ長ですっとしていて男の人そのもの。

左右非対称のアシメントリ―のオレンジ色の髪は、ロッカーの上に飾られている。

色素の薄い茶色かかった地毛に、もこもこのピンク色のジェラードピケのルームウエア。
「って、目の下、くっろ!」
「当たり前でしょ。帰ってこない麻琴ちゃんが心配で、眠れなかったのよ」
「さっきまで化粧で隠してたのか……すご」
「下地を、緑にして隈をって説明は今度にするわ。一緒に眠っていいけど、私、今、ベットに入ったら気絶するように寝ると思うわよ」

ソファに置いていたクッションを私に渡すと、ベットの方へいき自分の枕を横にずらしてくれた。

「うん。襲ったりしないから、安心して寝ていいよ」
「逆。本当はそれ、私が言いたい言葉~」

なんてね、と言いつつ業平は私をベットに招き入れてくれた。

「昔々あるところに、マッチ売りの少女が」
「そんなんいらないから、さっさと寝て」