「急に、そんなこと言われても……」

 わたしが戸惑っていると

「好きな奴とか……いるのか。あいつと付き合ってるとか」

 健太は苦いものでも飲み込んだような顔で訊いてくる。

「違うけど……急にそんなこと言われても」

「じゃあ、やっぱり迷惑だったか」

「め、迷惑とか……」

 本当にどう答えたらいいかわからなかった。

 だって、姉弟みたいに育ってきたから、わたしにとって健太は家族同然の存在なのに。

 でも、健太がふざけて言ってるんじゃないのはわかる。

 わたしも真剣に答えなきゃいけないってこともわかる。

 小さくため息をつくと、わたしは健太の目を見て言った。