2月14日

 じゃあ反対に、わたし、健太とキスできるかな。

 健太を思い浮かべてみた。

 浮かんできたのは、今の健太。幼いころの健太じゃなかった。

「好きだ」と言ってくれたときの、顎のラインがシャープだった健太。

 うん、してもいい、かも。


「この問題を解くのに使う公式は? 出席番号14番沢田さん」

「花奈、あたってるよ」隣の子が肘で突いて教えてくれた。

「は、はい」

 数学の授業の最中だった。

 わたしは椅子をガタンと鳴らして立ち上がった。