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「あっつー」


おでこの汗を拭った菫が、冷水機の水をガブガブ飲んでいた。


「そんなに飲んだらお腹壊すよ?」


今度は冷水機の水で顔を洗い出した菫。



「大丈夫?」


「ただでさえ運動した後で暑いって言うのに、ジメジメしてるから余計に気持ち悪いの!」


菫の顔からはポタポタと雫が落ちている。



私は菫から預かった白いタオルを渡した。


「はい」

「ん」



体育の授業でテニスの試合したけど、菫…強かったもんなぁ。




「雨降らなくて良かったよね」

「ね。でもいつ降ってもおかしくないよね」

「莉子、傘持ってきた?」

「折りたたみがカバンに入ってる」

「おー女子!私なんて置き傘だよ」


なんて言って笑う菫に、私も一緒になって笑った。