「早く梅雨明けしないかなー」

「梅雨明けたら夏休みだね」

「だね!花火しよーよ!」


菫ったら、さっきまでテンションが下がってたのに…


ふふ



「お祭りも行こ」

「良いね!焼きそば!」


菫の言葉に、屋台の焼きそばが頭の中に浮かんだ。


ソースの香りに連れられて、屋台の前で立ち止まると、ジューッと美味しそうな音を立てて焼いてるおじちゃん。


パックに詰めて『はい、お嬢ちゃん』って言ってビニール袋に入れてくれるんだ。



ジュルリとよだれが出てくる。



「あ〜♡楽しみになってきた!」

「絶対行こうね!」

「うん!」



頭の中は焼きそばでいっぱいなのに、お弁当には焼きそばが入ってなくて…。


そのもどかしさから余計に焼きそばが食べたくなった。