「案外ハッキリした性格だからな。手術が終わった日だって今夜は麻酔が効いてるから起きないでしょ、じゃお疲れって俺より先に帰ったからな」
「そうなんですか?」

「アイツなりの優しさだよ。結衣ちゃんに心配かけたくないから、きちんと食べて寝る。ついでに結衣ちゃんだけど疲れからくる一過性の物だ心配ない。今頃もう寝てる」
「そうですか…良かった」

確かにそうだ。大切な人が自分のせいで体を壊したりその人自身の生活が成り立たなくなるのは僕だって嫌だ。
2人の間には堅い信頼関係があるのが分かる。

仕事以外の事でも尊敬できる部分があの人にはある。
僕は原田先生のような医者になりたい…なってみせる。そっと心の中で誓った。