どうしても気になって消灯間近に医局を覗いた。

「あ、中岡先生」
「あれ?野田先生。どうしたの、珍しいね」
「どうしても原田さんが気になって…」
「結衣ちゃん?あぁ、君が発見したんだってね」

「原田先生は?」
「もう帰ったよ」
「えぇ⁈帰った?なんでですか?」
「だって原田先生は日勤だから。仕事終わったら帰るだろ普通」

「だって、原田さん熱あるのに…」
「熱がある患者さんがいたら君は帰らないのか?」
「いやだって奥さんですよ、心配じゃないんですか?」

「なるほど。愛しい奥さんが発熱してるのに側にいないで、さっさと帰った原田先生にがっかりしたんだ」
「川本先生…」