キミと僕の日常

「外、寒くなかったですか?」
「先生こそ。上着貸してもらっちゃったのに…風邪ひかないでね」

「……僕は頑丈なので平気です」
「先生、送ってくれてありがとう。せっかく休憩してたのにごめんね」

「僕がそうしたかったので。原田さんまたこうしてお話に来てもいいですか?」
「いいですよ。私も先生のこと知りたくなった」
「…じゃあまた」

「中岡先生、原田さんの検査結果です」
病理から預かったデータ表を手渡した。

「うん、大丈夫だね。結衣ちゃんリハビリも頑張ってるし退院も近づいてきたかな」
「予定は立ってるんですか?」
「そうだなぁ…早ければ来月。あっでもまだ本人に言っちゃダメだよ。延びる可能性だってあるし変な期待を持たすのは可哀想だから」
「はい」

それから時々、時間があれば原田さんの部屋へ行き他愛もない話をしていた。
初めて打ち解けられた患者さんで同期の友達で同い年。とにかく原田さんと話をするのが楽しかった。
フワリとした優しい笑顔に癒されていた。