「そんなに緊張されると僕まで緊張するんだけど…」
「だ、だって…」

緊張するなと言う方が無理だ。
初めて来た彼氏の部屋なんだから。
もしかしたら…その…今日……って思ってしまう。

「はい、ココア」
「ありがとう…」
「それからコレ。結衣にあげる」
「なに?どこのカード?」

「この部屋」
「この部屋?」
「僕がいない時でも、寝てる時でも好きな時に入ってくれていいから」

「えぇ⁈」
「どう考えても少なすぎるよ。会える時間が」
「うん…」

「例えば夜勤明けの日だったら学校終わってから来てくれれば夕飯ぐらいは一緒に行ける。もし僕が寝てても気にしないで、そのうち起きるから」
「いいの?私が持ってて」