夕方、ナースステーションで結衣の記録と検査結果、壁のモニターに映る結衣の心電図。
全てを総合的に見てもどうも腑に落ちない…
加えて手の傷…机にボールペンを打ちつけながら考えるけれど、出てくる答えは一つしかなかった。

翌日、意を決して結衣の部屋に向かった。

「ストレス性の発作だと思う。何かあった?」

そう伝えると結衣は泣きながら話をしてくれた。
嫌がらせの手紙、非通知の着信、カッターの刃が貼り付けられていたこと。

僕は気付かなかった自分に腹が立った。
そんな嫌がらせ1〜2日の話じゃないのは確実なのに。

ほぼ毎日結衣とは連絡をしていたのに、それでも気づかなかったなんて…
どこかで結衣はSOSを出していたんじゃないか…って。

僕の胸の中で小さく震え泣いている結衣をそっと抱きしめ誓った。

もうこれ以上、辛く悲しい涙を一人で流させない。
結衣が辛い時には必ず隣にいる。