嬉しさを噛みしめ医局へ戻り
「私も先生が好き」
その言葉を思い出してニヤけていた僕に
「何?気持ち悪っ」と一言残し中岡は帰って行った。

その言葉に我に帰りふと思った。
お互い好きだったなら一般的にはカップル成立…
でも、連絡先を聞くのを忘れた。

僕が分かるのはカルテに記載されている自宅の番号のみだ。

せっかく思いが通じ合ったのに互いに肝心な事を忘れていた。
きっとこう言う所も似ている僕たちだからお互いに惹かれ合ったんだろうね。
まるで僕らの間に引力でもあるかの様に。