笹先生とは少し立ち話をしてから廊下で別れた。

「そんな簡単な夢でいいなら、僕が叶えてあげる。だけど…僕だけじゃ叶えられないのは分かってるよね?」

眠っている結衣の手を握り問いかけた。
昼間には高かった熱も微熱程度に下がり、呼吸も安定している。

理由なんて分からない…けれど涙が一粒こぼれ落ちた。