すっかり遅くなってしまった。
ナースステーションに顔を出せばメンバーはいつの間にか日勤から夜勤の看護師へと変わっていた。

吉岡師長に結衣の様子の確認を取り足早に病室へと向かった。

ところが誰もいないと思っていた目の前の結衣の部屋から出てきたのは笹先生だった。

「あ、お疲れ様です。佐伯、飯食ってたった今寝たところです」
「そうなんだ。ずっと居てくれたの?」
「ずっとってワケじゃないですけど。それより中岡先生に聞きました。救命のヘルプに行って大変だったって」

「ん、うん…まぁ」
「良かったらまた救命医療の話、聞かせて下さい」
「僕で良ければいつでも」
「先生…」
「なに?」

「佐伯の夢。絶対叶えて下さいね。できるの先生しかいないんで」
「結衣の夢…?」