「今橋先生、ご無沙汰してます」
「おー、原田か。久しぶりだな、まぁ座れ座れ」

担任だった先生の隣に座った。

「今橋先生、こんな大切な言葉をお伝えするのに随分と時間をかけてしまいました。あの時、僕に南陽大学に進学しろって言ってくれてありがとうございました。先生がいなければ今の僕はないと思っています。先生のおかげで天職だと言える仕事に就けました」

「そうか…そう言ってくれると俺も嬉しいよ。周りの状況をよく見て先を見据えて行動できる人間だからな原田は。そう言うのも大切な仕事なんだろ?」

「…そうですね。先を見過ぎて失敗することもありますけどね」