「分かりました」
「結衣、熱が上がり切るまでは震えるの続くかもしれないけど心配しなくて大丈夫だからね。熱の原因が分かるまでは安易に薬も使いたくないから今は脱水予防の点滴だけするからね」

「さ、寒い…お布団ちょうだい」
「もう3枚も着てるのにこれ以上は重たいだけだよ」

そう言いながら腕を摩ってくれるゆうちゃんの手は布団なんかよりも、もっとずっと暖かかった。

「先生、できました」
「ありがとう。もう少し僕はここに残るんで何かあれば電話ください」

看護師さんがいなくなり、2人きりになったけど寒いのは変わらずカタカタと震えていた。

けれど背中を撫でてくれる温かい手に安心したのか気がつくともう朝だった。