看護師さんが電話を切ってから1〜2分後、扉が開きゆうちゃんがやって来た。

「発熱したって?」
「血圧110の75。体温が38.6度です」
「結衣、ちょっと診察するよ」

そっか、夜勤って言ってたね。
ごめんね夜中に。寝てた?

って言いたい事はたくさんあるのに口から出るのは「ゆうちゃん…寒い」だけだった。

ゆうちゃんの服の裾を掴みうわごとのように寒いを繰り返していた。

「今は呼吸も安定してるし、心拍も問題なさそうだね。直近のエコーの結果出せる?」
「はい。こちらです」
「んー…。じゃあこの点滴外して汗かいてるから代わりに脱水カバーしよっか。それで朝イチ採血して検査に回すよう手配して」