「原田先生って生活感ないよね。家でもそうなの?」

朝のチェックに来ていたもっちゃんが突然尋ねてきた。
「生活感ないかな?なんで?」
「本当にここで寝てるよね?」
「え、うん」
「いつ見ても布団は綺麗に畳んであるし、先生の私物はないし。夜中に結衣ちゃん見に来るでしょ?横になってる姿は見るけど寝息一つ立てずに寝てるから…」

大抵ゆうちゃんは私が眠った後でやって来て、私より早く起きている。はっきり言って夜中の事は分からないけど…家だとスースーと可愛い寝息を立てて寝ている。

「静かすぎて怖いって?」
「時々、医局で寝てるのも見かけるけど寝相いいよね。他の先生なんて布団ズレてるし、うるさいぐらいイビキかいてるのに」

「それは性格とかの違いじゃない?」
「私は寝相悪いからさ、いい人が羨ましいよ。じゃあ何かあったらコールしてね」

チェックを終えるともっちゃんは荷物を片付け出て行った。