夕方、少し時間が空いたので結衣の部屋に向かうと結衣は寝転んで外を見ていた。

「何してんの、黄昏て」
「んー?日が暮れるなぁって思って」
「そうだね、もうすぐ日の入り時刻だよ」

僕はベッドに腰掛け足元の布団をめくり、結衣の足に触れた。
「あったかいね、ゆうちゃんの手」
「そう?」

歩かなくなってから結衣は血栓予防の為に足のマッサージを受けていた。今日だってもちろん看護師さんがしてくれていたけど僕がやりたいから気にせず続けた。

「痛くない?」
「うん。気持ちいい」
目を瞑った結衣の足を優しく揉んでいた。