「開けるよ」
そう言ってカーテンを開け中岡先生はやってきた。

「痛いのは膝だけ?」
「手のひらも…」
そう言って大人しく先生に見せた。
「そっか…ちょっと染みるよ」

中岡先生は私の膝を立てると優しく汚れを取るように消毒を始めた。
けれど無言のまま進む処置に耐えきれなくなったのは私の方だった。