急に止まった私も悪かったのかもしれない…衝撃と共に視界が傾き何が起こったのか理解できなかった。

「うわ!急に止まったら危ないだろ!!」

スーツを着たおじさんは転びそうになり汚れた裾を払いながら私にそう叫び小走りで横断歩道を走って行った。

そう言い残された私は車椅子から投げ出され地面にうつ伏せになっていた。

車道を走る車にクラクションを鳴らされ焦って立ち上がった。

「痛ったぁー…」

車道近くに転がりタイヤを上に向けカラカラと回っている車椅子が虚しく、過ぎて行く車のドライバーさんの視線がなんとなく痛い。

思った以上に重たい車椅子に怪我をして痛む手足では力が出ない。