「言わなきゃ誰も分からない。でしょ?」

昨日の朝、義母さんと出かけると言って家を出て以来、初めて見た結衣の笑顔にもう大丈夫だと僕は確信した。

「お腹、空いてない?食べる?」
「…今から?」
「いいんじゃない、たまには。ハイ」

ポケットに入っていたおにぎりを半分に分け手渡した。

「…美味しい」
「でしょ。明日からはきちんと食べられる?」
「…うん」

コンビニのおにぎりを半分ずつ並んで食べる。
そんな些細なことがどうしようもなく、嬉しくて愛おしい。