「結衣?」
「…ゆうちゃん」
「ちょっとだけ、いいかな?」

そう言って結衣を車椅子に乗せ歩き出した。

「吉岡師長、すみません。就寝なのは分かってるんですけどちょっと連れて行きますね。責任持って後で必ず送り届けますから」

ナースステーションに声をかけ、向かったのは誰もいなくなり、間接照明だけが照らされた自販機コーナー。

ここならこの時間は誰も来ないだろうし、一応暖房は効いている。
ココアとコーヒーを買い結衣の隣に座った。