入院を勧められたその日の夜。まだ少し頭痛の残る頭を押さえながら漠然と考えていた。

まだまだあの家でゆうちゃんと暮らしたかったな…あ、洗濯干しっぱなしだった。

冷蔵庫に食材あったかな?また一人暮らしさせちゃう…
帰ったら大好きなハンバーグ作ってあげよう。

帰ったら……そっか。帰れないのか。
心臓移植が決まるのが先か。
私の心臓が止まるのが先か。

ここで死ぬのかな…私。

突然、死がすぐそこまで来ていると言う現実を突きつけられどうしようもない恐怖に心を支配されてしまった。