すると突然、手を上げた。

「あっ、来たきた。原田先生ー。お客さん来てるよ」

僕の姿を見つけると兄貴は思った通りの反応だった。

「なんでこんなトコにいるの?仕事は?」
「結衣ちゃんのお見舞いですよー」

「美味しそうなプリンをこんなに頂きました」
中岡先生がそう伝えた。

「一個は今、結衣ちゃんの所に置いて来た」
「あっそう。だいたいさぁ、ここ部外者立ち入り禁止なんですけど」

「それは中岡先生に言って」
「あー…そう言えばそうだねぇ…まっいいじゃん。身内でしょ?」

少しバツの悪そうな顔の中岡先生…でも兄貴の言うことは最もだ。