背もたれを起こしベッドに座り深呼吸をして彼の方に向き直った。

「…もう平気」
その言葉に彼はニコリと微笑んだ。

「…なんで泣いてたか聞かないの?」
「聞いた方がいいなら聞くけど?」

「……勇気がでないの」
「勇気?」
「うん…」

胸元のパジャマを掴み視線を反らすと彼は全てを理解したようだった。
けれどその顔は少し寂しそうにも見えた。