君の世界を知りたかった。

「菜乃葉ぁ〜!探したよ!」


私が教室に戻ると夏菜が飛びついてきた。


「ごめんね、屋上に行ってたんだ」

「助けてあげられなくてごめんね?」

「大丈夫だよ。でも彩奈はあの後どんなかんじ?」

「宇佐美君に怒られたのがよほどショックだったのか、ずっと机に突っ伏してる」


もっと怒り狂っているのかと思ったけど大丈夫そうだ。


「そっかぁー。激怒りしてたらどうしようかと思った」

「だねー。」


そうだ。聞きたいことがあるんだ。


「……夏菜あのさ、私の事、宇佐美君と一緒に探してくれたの?」

「うん、そうだよ?それがどうかした?」

「ううん!別になんでもない……」

「……あっ!分かった。菜乃葉、宇佐美君が好きなんでしょ!」

「え!?そ、それは、そのっ」

「その反応は図星だね!」

「な、なんで分かったの〜?」

「だって顔に出てるもん、好きですって」



どうして私って、こう分かりやすいんだろう?


宇佐美君の表情、仕草、声を思い出すだけで顔が火照るのが自分でも分かる。



「菜乃葉可愛い〜。応援するね!今日からたくさんアピールしちゃいな!」

「う、うん……ありがとう」



夏菜が応援してくれている。

頑張りたい……。


でも、やっぱり私を悩ますのが過去の出来事。


それにまた彩奈に何か言われたら。

もしかして今度はクラス全員で私をハブろう、って事になるかもしれない。

不安で不安で仕方がない。



「菜乃葉。」



夏菜が真剣な顔で私を見つめる。



「私がついてるよ。大丈夫。彩奈や他の女子達が何を言おうと私は菜乃葉の味方だからね。安心して。」

「夏菜……。」

「私たち大親友だもん。菜乃葉を裏切るような事はしない」



宇佐美君だけではなく、夏菜にまで心を見透かされてるみたい。