感情の読めない笑顔を張り付けている彼。


「っ藤崎、隼人!」

「覚えててくれたんだー!って、忘れるわけないか!」


忘れる?そんなことありえない。こいつは、藤崎は、私の仲間を傷付けた張本人なのだから。


「何の用ですか?」

「ん?ああ、ただの挨拶だよー。君、今双龍にいるんでしょ?」

「それが?」

「俺たち黄牙はもうすぐ関東No.1になる。双龍を倒してその地位を手に入れる。そして今度こそ葵を俺のものにする」

「まだそんなことを!」

「まだ?ふっ。諦めるわけないじゃん。そもそもあそこを潰そうとしたのも黄牙を作ったのも全部、葵を手に入れるためなんだからさ!」

「...」


それだけのために彼らを傷付けたというのか。そのために双龍にまで手を出そうというのか。...いや、させはしない。


「まあ楽しみにしててよ。あいつらが崩れていく様をねー」

「...彼らは屈しませんよ、あなたなんかに。そして私も」


私の言葉にひらひらと手を振り、藤崎は再び闇の中へと消えていった。