「今回の範囲は竹取物語。颯も真もかぐや姫は知ってるよね?」
「うん」
「竹を切ったらちっこいのが出てくる話だろ」
「そう。かぐや姫は竹取物語を簡略化したものなの。とりあえずあらすじだけ説明すると...」
私はできうる限り丁寧にかみ砕いて説明した。
意外にも2人は話に興味を持ってくれたらしく、呑み込みも早かった。少し単語の意味には苦労したけど、物語の続きを知りたい気持ちが勝って頑張ってくれた。
開始から3時間。ずっと休み無しだったにも拘らず、真と颯は竹取物語をちゃんと理解できるようになった。
「「できた!」」
「お疲れさま。これで国語は大丈夫そうだね」
「ありがとう葵!俺こんなに勉強できたの初めてだ」
「つーか3時間も経ってたのに気づかなかったわ」
「2人ともすごく集中してたからね。今日はこれで終わりにしようか」
「え?他の教科は?」
「一度やると大変でしょ?休憩も大事だよ」
こんな風に1週間ずっと勉強をつづけた。
一日に一教科ずつ。
思いのほか2人とも真剣に取り組んでくれて、途中舟をこぐことはあっても爆睡はしなかった。
テスト前日にやっと倉庫に顔を見せてくれた先輩たちは、
「あの真と颯がちゃんと勉強してるとこ初めて見た」
「明日は雨か...」
とか言ってすごく驚いてたけど、同じくらい嬉しそうだった。