あなたの心臓になりたかった

しおりさんたちは、仕事?の話を始めた。当然ながら私には何を言っているかわからない。そもそも、理学療法士とかよくわからないし……。

「あ、あの!」

私は気になって、訊いてみることにした。四人は仕事の話で盛り上がってるし、待ってたらキリがない。

「詩織さんが家に来るのはわかる。でも、どうして私の知らない人まで……」

四人の目が突き刺さって、私はうつむく。ごめんなさい。私なんかが質問して、ごめんなさい。

「小倉結衣は知ってるよね?君の学校のカウンセラー」

颯さんが口を開いた。私はゆっくり頷く。結衣先生がどうしたんだろう?

「結衣から相談を受けたんだ。死にたがりの子がいる。自分を必要以上に卑下してしまう。このままでは取り返しのつかないことになる可能性もある。だから、自分自身や死に向き合う人たちを見つめる時間を与えてほしいってね」

「三葉ちゃん、シエルに実習に行こう。そこで自分や人と向き合ってみよう」

海斗さんが私を見つめる。私の心臓はドクンと音を立てた。