芸術コース、音楽コースの発表が終わった後、司会をしている先輩が次のコースの説明に入る。もういいよ。私は、どのコースに入ったって同じなんだから……。

ギュッと唇を噛み締める。ここで発狂したい。自分を傷つけたい。どうせ、こんな話を聞いていたって無駄なんだから!

私には、希望に満ちた未来なんてない。私には暗い人生がお似合い。きっと、最期は自分で命を断つという最初から最後まで悲劇のものだ。

でも、誰も私の心の声なんて聞こえていない。だから、司会者は笑ったまま口を開いた。

「次は、福祉コースの発表です。介護福祉はこれからの社会に必要とされる職です。それでは、どうぞ!」

司会者がそう言うと、「こんにちは〜!福祉コースの山田で〜す!」と言いながら福祉コースの先輩がやって来る。先輩は手をなぜか動かしていた。

「これは、手話って言います!聴覚障害を持った人のコミュニケーション方法の一つで、福祉コースを選ぶと手話が学べますよ〜!」