あなたの心臓になりたかった

「三葉ちゃん……」

太陽さんが、私を見つめて言った。

「このまま自分の心を放って置いたら、三葉ちゃんはいつか病気になってしまうかもしれない。統合失調症やうつ病になって、ますます苦しい思いをするかもしれないよ？」

「三葉、大丈夫。何も怖がることなんてないから……」

詩織さんに抱きしめられる。人の体温に直接触れるのは、何年ぶりだろう。懐かしくて、この人たちは私を心配してくれてるんだなって……。親ですら心配しないのに……。

涙が、ジワリとあふれ出す。気がつけば子どもみたいに泣いていた。それでも、四人はそばにいてくれてーーー。

私は、シエルに実習に行くことを決意した。



施設側と詩織さんたちが話し合った結果、私は一日だけ実習に行くことになった。そして今日、私は実習へ行く。

「緊張するな……」

胸がドキドキして落ち着かない。深呼吸しても、緊張はなくならない。こんな風になるのは久しぶりだ。