図書室の雰囲気が好き。



何もしなくてもただ、
ぼーっとしているだけの時間が好き。

そんな私に静かな雰囲気の図書室というのは、うってつけなのだ。

図書室のいつもの特等席は窓際の机。
冬になるとカーテンの隙間から入る日差しが机の上に日向を作るので、そこにくつろいで、日向ぼっこをするのが日課。


この暖かさをずっと堪能していたいなぁ…

今日も特等席を独占中。
やっぱりあったかいと眠たくなってしまうもので、徐々にまぶたが重くなっていく、、




「あー、あったかいなぁ…」
「授業まであと10分あるから…z」



Zzz…


あぁ、幸せだなぁ…


好きな人と一緒にだったらもっと幸せかなぁ…
一緒に帰ったり、寄り道して遊んだり、休日にはたまにデートもしたいな、
それで、記念の日とかは一緒にお祝いして…



太陽の日差しで体が暖められ、そんな幸せそうなことを考えながらゆっくりと目を開ける。

でも、そんなのんびりとした時間もおしまい。
周りを見渡すと誰もいない。


カギ閉め担当の図書委員までもがいない。


ハッと壁にかかっている時計を見ると、直前に見た位置から針が20分ほど動いている、
つまりは午後からの授業は遅刻だ。


「体調が悪かったことにしよう、うん。」
と半分自分に言い聞かせるような形で解決した。


腕を前に精いっぱい伸ばす。
大きめのあくびをしながら目線を下にやると、そこには1枚の紙と1本のカギがあった。
名刺サイズくらいのその紙には、


「おはようございます、
 あまりにも起きないので諦めました
 鍵の施錠をお願いしますね Y.H」


と書かれていた。
とても整った字形を見るに、きっと生真面目な人が書いたんだろう…



ただ、一つだけ言わせて欲しい…
私が悪いのはわかってるよ??



でもね??





ちゃんと起こしてほしかった!!







自分自身でも最低だなと感じつつも、
真っ先に感じてしまった本音を漏らし、図書室の施錠をした。