柊にぃは校門あたりで待ってるかな?

急ぎ足で運動場を横切る。

きつい日差しが気にならないぐらい

さっき投げかけられた
言葉が重い。



「ひきこもりじゃないの?」



確かに・・・


今はひきこもりではない。

でも柊にぃは
中学の頃、登校拒否を起こして
しばらく学校を休んでいたことがあった。

あの頃、ママはつらそうだった。

でもあたしは
家に帰ると柊にぃがいたので
うれしかった記憶がある。
子供って勝手なもんだ。

柊にぃも宿題を手伝ってくれたり、
晩ご飯を作ってくれたり、
学校へ行っていない、という以外、
いつもとどこも変わらなかった。

その頃、
何が柊にぃに起きていたのか、
どんな気持ちだったのか、
あたしには全然わかんない。

ただ、柊にぃは悩んでいた。
そばにいて、それはわかった。


柊にぃだけでなく
ひきこもっている人それぞれに
抱えているものがあるんだろう。

簡単に言って欲しくない。

笑えるうわさにしないで。