しのび足で階段を下りて

顔をあげたときだった。


ッ!

目の前の居間に
柊にぃが立ってる。

あれ?
さっき1階にいたっけ?


ヒ、ヒジョーにきまずい…

なんて言おう…


あたしはそこに
立ちすくんだ。


でも柊にぃは
こちらを向いてるのに

あたしを見ていない?

視線が遠い?


そうしてるうち
こっちに近寄ってくる。


「シュウニィ…?」


しかし柊にぃは、
あたしに目もくれず
そのまま階段を上っていった。



無視されたの?

無視というより…あたしが
見えていないかのようだった。
透明人間になった気分。



柊にぃ、
なんか変…


その姿はなんていうか

まるで
亡霊のようだった。