叫びを聞きつけてきた、となりのおばちゃんに言った。


「すぐ警察呼んで!」

「瑠璃ちゃん!
 大丈夫かい!!!」


あたしの姿を見て
おばちゃんが叫ぶ。


「早く呼んでっ!」


おばちゃんにお願いしてあたしは居間に戻った。


柊にぃは、まだその男を殴っていた。男はぐったりしてもう動かない。


「柊にぃ、もういいよ、もういいから、それ以上やると、死んじゃうよ…」


あたしは柊にぃを
後ろから抱いて止めた。


我に返った柊にぃは
血に染まったシャツを
見て言った。


「だいじょうぶかっ!?

 ケガは??
 瑠璃っ!瑠璃!」



「大丈夫だから、
 あたしは大丈夫、
 落ち着いて柊にぃ!」


手がそっと
あたしのほほに触れた。

柊にぃが泣いてる…


「止血しておかないと…」

あたしの腕を取った。



「危機一髪のところで
 柊にぃが戻ってきたの。
 あたしの王子様だよ」



ほんとにそうだ。柊にぃのおかげで助かったんだ。


外がにわかに騒がしくなり、何台ものパトカーが着いたのがわかった。