柊にぃはあたしの上から離れ、
押し入れを開け、
箱を取り出した。

あたしは上半身を起こし
それを見てた。


 柊にぃ・・・

 どうしたんだろ・・・


写真よりさっきの
柊にぃの行動が気になった。

よくふざけて、二人して
転がり回ったこともあるけど、
あんなに力を込めて
押さえつけられることはなかった。




柊にぃは写真を探し当てたようで
こっちに持ってくる。


「ほら」


写真を差し出す。

あたしは手をのばし
受け取ってそれを見る。


「・・・」


柊にぃのママ・・・?

驚いて写真を落としかけた。

背筋が冷たくなる。



「・・・どして?」



あたしは震える声をおさえ
柊にぃに問いかけた。


写真の中の
柊にぃの母親の顔は


真っ黒に 

塗りつぶされていたのだ。



柊にぃはこっちを向き
かすかにほほえんだ。