愛さんを見たら
泣いていた



暗闇の中
愛さんの涙が光った



咄嗟に抱きしめたくなったけど
感情を抑えた




「…藍くん…」


愛さんは、顔を押さえたまま
オレの名前を呼んだ



オレは愛さんを慰めるとこともできなかったけど

愛さんを置いて部屋に戻ることもできなかった




同じ空間にただ一緒にいるだけ



それが精一杯だった