部屋の電気を消して 愛さんがケーキのロウソクに火をつけてくれた 去年は 母さんと兄がいた きっと母さんは オレの誕生日には 自分の病気を知っていたのかもしれない 「藍くん、消して…」 フーーーーー… 「おめでとう」 暗くなった部屋 愛さんの声がした 「愛さん… 愛さんのおかげで オレ、ひとりじゃない ありがとう」 「…うん」 電気をつけると 愛さんは少しだけ涙ぐんでた