「……っ!?」


目を開けるなり、視界いっぱいに紘毅くんの整った顔が映って。

思わず言葉を失ってしまう。


「ひ、ひ、紘毅くん…!?」

少し動けば唇が触れ合ってしまいそうなその距離が恥ずかしくて、慌てて顔を背けた。


どうしてこんなにも近くに紘毅くんが…!?


わけがわからないまま、やけにはっきりと残っている唇に柔らかなものが触れた感触。

そう、それはまるで…まるで───


「……っ、ひ、紘毅くん…」
「ん?どうした?」


まさか。
そんなことないと思いながらも。

確かめずにはいられない。


「さ、さっき…私に何かした?」

気持ちが昂るのがわかる。
胸のドキドキが鳴り止まない。