「……っ」

そしたら私は、この家を出て一人暮らしをするのが当然のことだ。

そもそも私は高校を卒業したら、大学近くに一人暮らしするべきなのではないだろうか。


あまりにも自分が紘毅くんに頼っていたことに今更気づかされる。



「詩織?」

「だ、だから私はバイトします!そこのカフェの雰囲気もいいし店員さんも良い人ばかりだったから…も、もうお風呂入ってくる!」


両親が亡くなって、悲しみに打ちひしがれて。
そんな時、紘毅くんに助けられて。

また幸せだと思える温かな日々が訪れて、先のことなんて考えていなかった。



「……あと3ヶ月後に一人暮らし、かぁ」


大学まではここから約1時間ほどかかる。

祖父母の家からだとさらに時間を要するため、一人暮らしをするのが妥当だろう。