永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜





「ふーん、友達と?」
「うん、友達と!」

そこまで言って思い出した。
まだ紘毅くんにはバイトを始めると言っていないことに。


「それでね紘毅くん、私バイト先決まったんだ」
「は?すげぇいきなりだな」

「今日行ったカフェで働くことになったの。
土曜日に説明と軽く面接があるんだ」

「もう決定事項なんだ?」


気のせいだろうか。
少し紘毅くんが不満気に見えるのは。


「うん、そうだけど…」
「何だよそれ、バイトする必要ないって言ったのに」

「ど、どうしてそんなに不満なの…?」
「俺との時間が減るって考えなかったのか?」


どきりとしたけれど、慌てて期待しないようその気持ちをかき消した。


ダメだ、ダメ。
ただ紘毅くんは寂しがり屋なだけ。

そう思うことにした。