「コンビニ行ってたんだね」
「ああ、詩織がご飯食べてくるかなと思って弁当買ってきてた」
「もー、それでコンビニ弁当?
私が作ったのに」
「遊ぶんだったら帰り遅くなるだろ?
腹が空くから無理だな」
「じゃあ自分で作りなよ」
紘毅くんは料理ができないわけじゃない。
むしろ休日は紘毅くんが作ってくれることが多いのだ。
「今はもう自分のために作ろうとは思わねぇなぁ」
ドキッとした。
じゃあ休日は私のために作ってくれてるってこと?なんて、すぐ浮かれてしまう。
「そういや詩織、帰ってくるの早かったけどご飯は?」
「んー、ケーキ食べたからお腹すいてないや」
「ケーキ?」
「そう、カフェ行ってたんだ」
あそこのカフェの雰囲気はすごく良かったし、ケーキも紅茶も美味しかった。
店員さんもいい人だったし、働く場としてはとても良さそうだ。
坂野先輩を除いては、だけれど。



