「最近困ってたのよ、若い女の子はみーんな隼也くん目当てでね…大変だったの。
でも貴女なら大丈夫な気がするから、ぜひウチで働いて欲しいわ。若い女の子の華が欲しかったところなの」
もしかして私、必要とされているのだろうか。
ここのカフェの雰囲気はとても良いし、人も良さそうだ。
思い切って働くのもアリかもしれない、なんて。
「ほ、本当に私で大丈夫ですか…?」
「もちろんよ。貴女が良ければぜひウチにきてほしい」
その言葉で完全に私の心が傾きった。
どうせ紘毅くんに話したところで反対されるだけだから、もう決めちゃえば良いのだと。
私が頷いて受け入れると、美智子さんも坂野先輩も嬉しそうに笑って迎え入れてくれた。
早速週末に詳しく話を聞き、簡単に面接をすることになった。
「良かったですね隼也くん、詩織がバイトしたがってて」
「本当だよ、ありがとう。与倉さんなら色々大丈夫そうだし、むしろ被害者側になりそうで怖いかな」
「変な男に絡まれたら隼也くんが守ってあげてくださいよ!?詩織、男に免疫がないピュア人間なんで!」
「ちょ、文香!?言わないでよ…」
経験豊富な3人とは違い、私はガキなのだ。
わかっていて言葉にされるとなれば恥ずかしい。



