永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜





「あら、この子がバイト希望の子?」


突然近くから柔らかな声が聞こえ、思わず顔を上げる。

すると私たちのテーブルに40代くらいの穏やかな女の人が立っていた。


美智子(みちこ)さん、そうです」

その女性は美智子さんと言うらしい。


「初めまして、鈴木美智子と申します。
夫と二人で始めたカフェなの。

ぜひ私たちのもとで働いてくれたら嬉しいわ」


雰囲気からいい人感溢れる美智子さん。

そういえば坂野先輩だけでなく、先ほどのウェイトレスも穏やかな雰囲気をしていた。


ここで働く人はみんな優しく穏やかな人なのだろうか。


「でも私、バイト未経験で…」

「そんなのこれから覚えていけば大丈夫よ。
なんなら隼也くんとシフトが合うようにするから」

「本当ですか?
じゃあ俺が与倉さんの教育係ですね」


何やら嬉しそうに笑い、話を進めていく坂野先輩と美智子さん。

あれ、これは逃げ場がなくなった感じだろうか。